『乳腺症』と『乳がん』の違いとは?
乳房にしこりがあると「乳がんかも…」と不安になりますが、乳がんではなく乳腺の病気である可能性もあります。その代表的なものが「乳腺症」です。
乳腺症とはどのような病気か?
乳腺症とは、エストロゲンという卵巣から分泌される女性ホルモンが1カ月周期で変動することにより、乳腺の組織が増殖・繊維化した結果、大小さまざまな大きさのしこりが生じる病気です。
また、乳腺症は悪性腫瘍の「乳がん」とは異なる良性の腫瘍のため、罹患したからといって必要以上に心配する必要はありません。女性ホルモン分泌の変動期間が長いほど症状が出る病気のため、30代後半から40代の女性に多くみられます。
乳腺症と乳がんの違いはなにか?
乳腺症の症状は、乳がんと似ており気になる方も多いと思いますが、細かく見ると下記のように特徴が異なります。
●乳腺症の特徴
・しこりがゴムやスーパーボールのように柔らかい
・押すと痛みがある
・生理周期により症状が変化する
●乳がんの特徴
・しこりが石のように硬く弾力がない
・動きがなく、痛みもない
・生理周期により症状が変化することはない
それぞれ別の疾患のため、原則的には乳腺症が原因で乳がんに進行することはないものと考えられています。ただ、乳腺症だと思っていたが実は乳がんであるという可能性もゼロではありません。
やはり、病院で検査をしなければ正しく判断できませんので、気がかりな場合は自己判断はせず、必ず病院へかかるようにしましょう。
どのような治療法があるか?
乳腺症と診断された場合には、ホルモンバランスを整えること、痛み・炎症に対してコントロールすること、この2つが重要となります。
基本的には、閉経により自然治癒される病気であるため、経過観察でよいとされていますが、日常生活に支障が出るほど痛みがある場合には、女性ホルモンのバランスを安定させる薬や痛み止めの内服、注射薬の投与などを行う場合があります。
また、乳腺肥大によりリンパの流れが悪くなるケースもあるため、その際にはリンパマッサージ・乳房マッサージも痛みを和らげる方法の1つです。乳腺組織の外科的手術は、効果が低いとされます。
どのような予防法があるのか?
予防法としては、不規則な生活や食生活を見直し、十分な睡眠時間を確保するなど、セルフケアをし、女性ホルモンの乱れを防ぐことが大切です。
他には、脂肪を多く摂りすぎると痛みの原因となるエストロゲンの濃度が上がり、乳腺の張りが増し、痛みが強くなることがあるため、脂肪の過剰な摂取は控えるようにしましょう。
また、わかめなどの海藻やひじきに含まれるヨードには、エストロゲンの働きを抑える作用があるため、適宜に摂取するとよいでしょう。
電話健康相談などに相談する場合は、どのようなポイントを聞けばよいか?
胸に痛みを感じる、しこりのようなものがある、こうした症状を感じたら、下記をポイントに相談するとよいでしょう。
・しこりは動きやすいか
・しこりの硬さはどれくらいか
・月経とともに痛みが変化しているか
乳腺症は、特に治療の必要がないものですが、乳がんであれば早期発見・早期治療が必要となります。自身で見極めることはせず、違和感を覚えた段階で一度病院を受診することが重要です。
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