冬と子どもの感染症~感染症から子どもを守る~
冬になると子どもの感染症が増え、毎年流行しています。ひとりの子どもの感染症に対する行動が、たくさんの子どもの健康と安全につながります。
感染症とは、ウイルスなどの病原体が体内に侵入して増殖し、発熱や下痢、咳などの症状が出ることをいいます。
子どもは、生後数ヶ月はお母さんから受け取っていた免疫がありますが、6ヶ月程でなくなります。また、免疫が未発達でウイルスとたたかう力が弱いため、感染しやすく、重症化しやすいのです。
日本の冬は気温と湿度が低いためウイルスが好む環境となり、増殖しやすく感染力も強まります。また、冬は寒さにより体内の免疫力が低下し、感染症にかかりやすくなるといわれています。
さらに保育園や幼稚園、学校などで子ども同士が触れ合うことが多く、自分で基本的な対策を十分に行うことが難しいため、感染症が拡大しやすい傾向があります。
ウイルスはとても小さいため、気づかないうちに広がります。子どもたちを感染症から守るため、感染症に対する正しい知識や情報に基づき、適切な対応をとることが重要です。
感染の経路と対策
1.飛沫(ひまつ)感染
飛沫とは、咳やくしゃみをしたときに飛び散るしぶきのことをいいます。感染している人の口から飛び散った病原体を、周囲の人が吸い込むことで感染することを飛沫感染といいます。飛沫は、通常1~2メートル飛ぶといわれています。咳やくしゃみをしたときに飛沫が飛び散らないように、感染している人はマスクを着用することが何よりも重要です。
2.空気感染
感染している人が咳やくしゃみをすることで飛び散った病原体は、水分が蒸発し、小さな粒子となります。それが感染性を保ったまま空気の流れによって広がり、同じ空間にいる人が吸い込むことで感染することを、空気感染といいます。空気感染は、飛沫感染よりも、ウイルスが移動する範囲が広がります。対策としては感染している人を隔離し、こまめに換気をすることです。予防として、人が多い場所に行くときはマスクをつけることも重要です。
3.接触感染
感染している人に直接触れる(握手、抱っこ、キスなど)ことで感染する直接接触感染と、感染している人が触れた物(ドアノブ、手すり、遊具など)に触れることで感染する間接接触感染があります。病原体に触れた手で、目、鼻、口に触れることや、病原体の付着した遊具をなめることなどによって、病原体が体内に侵入し感染します。感染した人が使用したタオルやハンカチなどを使うことでも感染することがあります。感染している人との接触は避け、タオルなどは共用しないようにしましょう。また、予防としては、こまめな手洗いと清潔なタオルで手を拭くことが重要です。
4.経口感染
病原体を含んだ食物や水を摂ることで感染します。また便の中に混入している病原体が排泄時に、便器やトイレのドアノブに付着し、その場所を触った手からも経口感染する場合があります。食事の提供や食品の取り扱いには適切な衛生管理をしましょう。そして吐物・便の処理には十分に配慮し適切な消毒剤を使用し、手洗いを行うことが重要です。
感染症対策の基本
感染症の対策は、子どもだけではなく家族みんなで行うことで、感染症の予防や拡大対策になります。お子さまに対しては、正しい手洗いを教え、うがいも習慣づけるとよいでしょう。咳やくしゃみへの対応として、マスクの着用も重要です。
お子さまと一緒に、感染症対策を行いましょう。