乳がん検診に関する不安や悩みを解消しよう!
乳がん検診の種類について
乳がん検診には、国が行うがん対策の一環として行われる「対策型がん検診」と、個人が自身の判断で受ける人間ドックなどの「任意型がん検診」があります。
対策型がん検診は、がんの予防・早期発見を行い、がんによる死亡率を減少させる目的で行われており、市区町村が住民検診の一部として行っている公共的な医療サービスです。区役所などで行われる集団検診、各クリニックに個人が申し込んで受けるものなどがあります。
任意型がん検診は、医療機関や検診機関などが任意で提供する医療サービスです。個人が費用をすべて払って受ける人間ドックや、職場検診の一部として、職場と個人が費用を分担して受ける検診などがあります。
検診の方法は、医師の視診・触診とともに、画像検査としてマンモグラフィというレントゲンの一種、超音波検査(エコー)などがあります。それ以外にはMRIやPET検査があります。
マンモグラフィは、撮影台と板の間に乳房を挟み込んで薄く伸ばした状態でレントゲンをあてるものです。
対策型がん検診では、40歳以上の症状のない女性に対し、2年に1回マンモグラフィを撮影することが推奨されています。この方法は乳がんの早期発見につながり、かつ費用負担や検査による放射線被曝によるデメリットなどと釣り合う効果が得られるとされています。
マンモグラフィ検査は、黒い画面の中にがんの病変を白く描き出すものですが、若く乳腺が発達した人や、乳腺濃度が濃い人では、乳腺も白く映ってしまうため、がんが乳腺にまぎれてしまい、発見しにくいという問題があります。また乳房を強く挟む痛みがある場合があります。
超音波検査は、ベッドにあおむけになった状態で、検査員が検査器具を乳房に当てて画像を描き出す検査です。
若い方や高濃度乳腺の方にとっては病変が乳腺にまぎれて隠れることが少なく、痛みや放射線被曝のリスクもありません。個人が行う任意型がん検診では、若い方や、過去のマンモグラフィで高濃度乳腺を指摘された方に超音波検査をお勧めすることがあります。
MRIやPET検査は、病変を見つける能力は高いのですが、費用や検査の時間などがマンモグラフィや超音波検査より増えてしまうのが特徴です。こうした理由から全員に行うことは現実的ではなく、特に乳がんになりやすいと思われるような方(血縁者に乳がん患者が多く、乳がんになりやすくなる遺伝子変化を持っている方など)に対して行われています。
検診はなぜ必要?
乳がんの初期は症状がないことも多いとされています。初期で発見できれば、適切な治療を行うことで、乳がんでの死亡を避けられる確率が高いのですが、進行してから見つかると、体に負担が大きい治療が必要になったり、死亡率が高くなってしまう可能性があります。そのため、早期発見するために検診が行われています。
外国と比べると、日本人の乳がん検診の受診率は低いのが現状です。2015年のアメリカでは50~69歳の女性の8割近くが乳がん検診を受けているのに、日本では4割程度となっています。
40歳以上であれば、自治体からがん検診についての案内が2年に1回届きますので、その通知を見逃さないようにすると、わずかな費用負担で検診を受けることができます。
月一回程度は自分で乳房を触って、しこり・乳房の形の変化・乳首からの分泌物などがないかをチェックすることが望ましいといえるでしょう。セルフチェックでは小さいしこりを見つけることが困難ですが、2年に1回の検診と合わせて、セルフチェックをしっかりと行うことが大切です。
乳がん検診の不安をやわらげるには?
乳がん検診をためらう理由としてよく聞かれるのが、「マンモグラフィ検査は痛い」「医療関係者とはいえ他人に乳房を見られるのが恥ずかしい」「検査を受ける時間が取れない」といったことです。
マンモグラフィでは、乳房をできるだけ平らにし、乳腺や病変が重なりにくいようにして撮影する必要があるので、どうしても乳房を強く挟み込むことになります。そのため痛みは避けられない面もあるのですが、月経前など乳腺が張りやすい時期は避けて検査を受けたり、どうしても痛みがつらいようであれば超音波検査やMRI検査を受けられる施設を探すといった方法もあります。
「乳房を見られるのが恥ずかしい」ということであれば、女性専用の医療機関や、スタッフも女性のクリニックを受診されることをお勧めします。
保険ワールド 手柄店 阿曽でした。